面倒臭いメンバー共
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「いい加減起きるっスよ二荒!」
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「二荒、もう起きないと」
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二荒の部屋の前でドアを叩き、起こそうとするボウゲツとミナギリ……いつもの光景と言えばいつもの光景だ。
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しかし、何故か異様な雰囲気を醸し出している……気がする。
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二人に声を掛け、事情を聴くことにした。
「……よう、どうした?」
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「二荒が全然起きてこないっスよ!」
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「いつも、そろそろ起きてくる筈なのに」
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「……おい、起きろ二荒!」
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ドアを強く叩いて叫ぶが、反応は全く無いままだ。
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いくら寝ているだけにしても、おかしい。
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もしサボりたいだけだったとしても、無視はしないのが二荒だ。
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……嫌な予感がする。
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「……二人ともどいてろ!」
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右腕から拘束具をひとつ外し、右手に力を込める。
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そのままドアを殴りつけ大穴を開けると、その勢いが余って部屋へ飛び込んでしまった。
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「いってぇ!?」
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本来なら超能力で鍵を開けた方が安全な上、ドアも壊さずに済むんだが、女二人が見ている手前破壊するしかなかった。
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簡単にピッキング出来るってバレたら面倒臭ぇからな、特に白浜とか。
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「二荒、大丈夫っスか!?」
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「どうなってるの」
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ドアに開いた穴から覗き込む二人。
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俺の心配も少しぐらいしろよ、その穴俺が開けたんだぞ。
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「ふたりともその穴から手突っ込んで鍵を開けて来い」
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「わ、わかったっス!……あっ駄目っス乳が邪魔で届かないっスよ!無理っスよ!?」
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「邪魔」
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ミナギリが、苦戦しているボウゲツを押しのけて穴から腕を伸ばし鍵を開ける。
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……身長の低いミナギリの方が開ける事の出来た理由はあえて考えないでおこう。
「どうっスか?」
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「……寝てる」
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「あー、噂には聞いていたが……確か、人間だけだって聞いてたんだがなぁ……」
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「あぁ、人間が意識不明で……って奴っスか?」
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「ミナギリも知ってるか?」
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「白浜から聞いた」
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「白浜から?」
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「所属してる人間全員に話してるって言ってた」
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注意喚起と情報の共有を兼ねてだろう。
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アイツ、やる時は本当に上手い事やるんだよなぁ。
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やらねぇ時が大抵なのが困りもんだが。
「恐らく、ソレに二荒が引っかかったな」
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「えっ!じゃあもう目覚めないっスか!?」
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「まだ決まってないから」
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そう言ってボウゲツにナイフを向けるミナギリ。
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どうせ本気じゃないだろ……と思っていた。
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「刃物は私にじゃなくてギルド長に向けて欲しいっスけど」
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「いや俺だって……ぉわっ!」
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話が進まないどころか刺されそうになるってどういう事だよ。
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つうか俺を刺そうとするな!上司だぞ!?
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超能力でナイフをミナギリの手から奪い取り、浮遊させたナイフを床に突き刺す。
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「危ねえな!……で、現状は原因不明らしい」
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「原因、不明……」
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「ギルド長の超能力でパーっと起こせばいいんじゃないっスかね?」
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「いや、無理に起こすのは危険だ」
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それが罠だった場合、二荒が死亡するならまだいい。
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周りを巻き込むのは御免だ、損失がでかいからな……と、正直に言ったところで反感を買うだけだろう。
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さて、どう返事したものか……。
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「でも私達より二荒が先って……不思議っスね」
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「確かにそうだな……」
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ボウゲツが話題を変えたので、それに乗る形で誤魔化した。
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確かに、ボウゲツの言う事はもっともだ。
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何をどう言おうと、二荒は妖怪でボウゲツとミナギリは人間だ。
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確かに妖怪の中では弱い部類だが、それでも人間よりは遥かに強い。
「……2人とも、護符か何か持ってたりするのか?」
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「コレなら常に持ち歩いてるっスよ」
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ボウゲツが左右の脛当てから木札を取り出す。
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……そういうの、そこから出てくるもんじゃねぇだろ。
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「宇尾野家に代々伝わる有り難いお札らしいっスけど……効果を実感した事は無いっスね」
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「今効果出てるんじゃねぇか?」
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「そうっスかね?……ミナギリは何か持ち歩いてるっスか?」
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「……御守りっぽいのはこれ位」
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ケープの上から引き出してきたのは御守りと言うには余りにも微妙な品だった。
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「……とりあえず折り紙で作ったやつ、って感じが満載っスね」
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「取り敢えずなんかしゃない!これは私の愛する我が妹が私の為に丹精込めて作り上げた一品であって」
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「わかったわかった、思いは詰まってるんだな」
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「わかればいい」
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発作が起きたミナギリを宥める。
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恐らく、ミナギリの妹の師匠が魔術的細工を施したのだろう。
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とは言っても、あの魔女が得意な魔法は氷結系だったはず。
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……つまり、この程度の抵抗で負ける手合いという事だ。
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「……原因究明しなきゃ」
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「そうっスね、私も探しておくっスよ」
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「俺も出来る範囲で調査するか」
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「その間二荒はどうするの」
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「あぁ?そのまま寝かせておいても大丈夫だろ、妖怪だし」
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「えっ」
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「言い方悪いっスね……」
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事実だろうが。
拘束具を右腕に巻き直して、ロビーに戻るとちょっとした騒ぎになっていた。
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「おい白浜、一体どうした?何があったんだ」
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「あらギルド長、残念ねぇ?」
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ニヤニヤと笑いながら返事をする白浜。
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コイツがこうやって笑う時にはろくな事がない。
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露骨に嫌な顔を見せつけてやると満足気な顔を浮かべて頷いてきやがった。
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溜息で返すと真顔で報告してくる。
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最初からまじめに報告しろよ。
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「今日、このギルドから人間が18人、妖怪が4体目覚めないと報告があったわ、今までの被害数を超えてきたわね」
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「それは二荒を入れてか?」
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「二荒さんもなのねぇ……なら合わせて23よ」
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「種族の内訳を教えろ」
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聞けば、弱い部類の妖怪ばかりの一方で、人間は強弱に関係が無い。
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やはり、ミナギリとボウゲツは護符の効果で守られたとみていいだろう。
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「……どうするのよ」
「仕方ねぇな……おいお前ら、よく聞け!!!」
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声を張り上げ、右腕を前へ突き出す。
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俺に視線が集中し、ざわついていた話し声も途切れロビーが静まり返る。
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「話を知っている奴も居るようだが、改めて説明するぞ!」
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人間が突如意識不明になる事、原因は不明なのだという事を説明する。
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「そして……我がギルドからは本日のみで23件の被害が出ている!これは妖怪も含まれている数字だ!」
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最早、妖怪だからと油断している場合ではないと告げる。
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まだ、予想は出来ているが確信を持っている訳ではない。
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俺や白浜すら、いつ目覚めなくなるかはわからない現状は伏せ、事実のみを述べていった。
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「緊急命令だ!原因を調べろ!解散!!!」
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俺の言葉を聞き、蜘蛛の子を散らす様に解散していく。
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残ったごく少数も、各々が側に居る相手に話をしたり何かしらの端末を立ち上げて検索なりをしていた。
「珍しくギルド長らしい事したわねぇ」
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「らしい、じゃなくて名実共にギルド長だからな」
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「名実共に?ねぇ……」
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「……何が言いてぇんだよ」
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「うふふ」
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俺に叩かれた手をさすりながら、はぐらかす白浜。
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まだまだお前なんかにこのギルドは奪わせねぇよ。
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「そうそう、私がもし寝てしまったら、その時は水の中に沈めて欲しいわぁ……よろしくね?」
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「……それは不死身ジョークか何かか?」
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「いやねぇ、馬鹿なのかしら?人魚が水中で寝た位で死ぬ訳無いじゃない」
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「お前のジョークはわかりにくいんだよ!」
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「私の生き肝を食べたら少しは理解出来るんじゃないかしら」
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「誰が食うか!……少し出掛けてくる」
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「あら、早速調査?えらいえらい」
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「何言ってんだ、実際偉いんだよ!」
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周りに任せて報告を受けるよりも、自分で探した方が早い。
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俺の仮説では被害が起きていないであろう国へ、文字通り飛んで向かった。