C418話 のバックアップ(No.1)


「僕たちが一番乗りだ!トリックオアトリート!」
「とりーとー!」
「はい、お菓子どうぞ」
「やったな至!」
「ねー、お菓子いっぱい貰えてお得な日だねー!」

別に合言葉とは特にないんだが、ああいう子供達には合言葉を言うという事に意味があるんだろう。
片方は……お化け?ジャックオランタン?と……なんだアレ。

「ハニー達、お待たせ❤️」
「アサヒさんのためなら何時間だって待つのは苦痛じゃないな!」
「アサヒさーん!私でーす!」
「ちょっと、私が先ですよ!」
「みんなの分は十分にあるし、きちんと渡してあげたいから……もう少し、待っててもらえるかな?」
「もちろんです!」
「アサヒさんからお菓子貰えるってだけで最高な一日決定なんだから、ハロウィン最高だな!」
「限定メニューもあるからバータイムもよろしくね❤️数量限定になってしまって、申し訳ないんだけれど……」
「今から並ばなくちゃ……絶対に今年こそ制覇してやるわ」

あーあー、やってら。
姉貴が常連に囲まれてる間に、暇潰しがてら子供に渡していく。
こっちは暇で楽だな、姉貴と違って会計も無いし。

「なあなあ、中身見ていいか!?」
「良い……と言うか、友達はもう開けてんぞ」
「美味しそー!ペッポーのはどんな感じー?」
「残念だったな、中身は同じだ」
「えっなら至ちょっと見せろよ……ふ、ふーん!結構美味そうじゃん!」

あー、気楽でいいな。
姉貴じゃねえけど、毎日こんな楽だったら良いのに……いや、俺の事だからそれはそれで不安になるか。

「ところで何の仮装なんだ?」
「え?え、えーと……そ、そう!ジャック・オ・ランタン様の仮装だ!」
「僕はなんか目玉のやつー」

目玉のやつって……クオリティの割に雑だな!
表現がリアル過ぎるってレベルなのにそれでいいのか?

「そんな説明なんかしたら、用意してくれた奴が泣くぜ?」
「僕が用意したんだから泣く訳ないじゃんかー」
「自分で用意したなら中々やるじゃねえか」
「でしょー!僕ってとっても凄いんだもんねー!」
「僕はどうだよ!?」

なんかオレンジ色を被っておけばいい感が否めないな。
それに本人が言う程にはジャックオランタンにも見えない。

「……お化けかジャックオランタンか、どっちかにしたらどうだ?」
「ジャック・オ・ランタン様だって言ってるだろ!」
「はいはい、ジャック様ジャック様。俺は仕事だからそろそろ帰りな」
「他でもお菓子貰いにいこうよー」
「つ、次はお前を恐怖におののかせてやるからな!」

どっかのザコかよ。

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