C424話

Last-modified: Wed, 22 Jun 2022 21:43:00 JST (696d)
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「ありがとうございました❤️またきてね❤️」

「ありがとうございました」

 

本来の閉店時間を大幅に超えて帰った最後の客を見送ると、まずレジを締める。

これが一日の最後にある、最大のイベントだ!

 

「さあ、今日の売上はいくらだろうな」

「ユウヒ……いくらハニー達が帰ったからとはいえ、すぐにお金の話するのは良くないよ」

「べ、別にいいだろ!」

 

反論らしい反論も出来ないまま、手だけはスピーディに動かして今日の売上額を確認する。

思わず笑みがこぼれる額だ。

いやー、売上的にもイベント的にも大成功だな!

 

「……姉貴、額聞くか?」

「面倒だからいい」

 

だろうな……ある意味、これでこそ姉貴だ。

共有したい気持ちはあるが、そういう事聞く姉貴は……いやいや、想像しただけで気持ち悪い!

これは一人で、時々帳簿を覗いて毎日の糧にしよう。

 

 

「これ……現像は出来たんだけど……」

「なんか、いくつか写真がおかしいんだよな」

「そんな事、ハニーに限っ、て……」

 

写真を持ってきたナツさん、カっちゃんさん、姉貴の三人が言葉を濁すから、つい気になって俺も覗き込む。

そこには、居なかったはずの客が写り、居たはずの客が写っていない写真があった。

 

「……まぁ、ハロウィンだしこういう事も有るんだろうね❤️」

「そ、そうだよな!そういうイベントだもんな!」

 

姉貴がぱん、と手を叩いて笑顔を作り、それっぽい事を言った姉貴に乗っかる形でごまかす。

ハロウィンだからだよな。

……そうだよな!?