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「……なんだよ」

「歩いて帰るの面倒臭いから、おぶって帰ってくれない?」

「ふ……ふざけるのも大概にしろよ!暑いし重いんだよ!」
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なんでそう斜め下の提案してくるんだよ!

暑い事は否定できないからなのか体重を気にしてるのか、重い、という言葉に突っかかってくる。
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「べ、別に重くはないわよ!ユウヒが非力なだけなんじゃないの?」

「はあ!?俺だって並程度には筋力あるっつの!」
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人が気にしてる事言ってきやがって。

こうなれば売り言葉に買い言葉だ。
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「ケンカするホドにナカヨし、うん、とてもイいね!」

「店長、止めましょうよ」

「でももうホカのおキャクさんいないからメイワクならないよ」

「そういう問題では、ないような……」

「シカタないね……あんまりしたくないホウホウだけど、やるしかナいかな」
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アビアンさんとトウキさんの会話なんて、大声で叫びあっている俺たちには聞こえるはずもなく。
二人の会話なんて、大声で叫びあっている俺たちには聞こえるはずもなく。

なんならアビアンさんがいつの間にか姿を消した事も、まったく気がつかなかった。
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「大体な!下の廊下で寝ちまった時、誰が上まで上げてやってんだと思ってんだよ!凄えキツイんだぞアレ!」

「そんな事言ったらユウヒだって、酔っ払って毎回何してるのか忘れてる訳じゃないでしょうね!?」

「まあまあおフタリさん、コレでもノんでオちツいてね」
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姉貴と怒鳴り合いの喧嘩……と言うよりも、姉貴の理不尽な欲求を突っぱねているとラッシーが二杯運ばれてきた。

……しまった、ここ他所の店だった。

気恥ずかしさでゆるゆると椅子に座り直し、ラッシーをありがたくいただく。
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「いや……なんか、すいません」

「ハニー、迷惑かけてごめんね……ちょっと私も大人気なかったね」

「キにしないでね、ニハイで760エンだから!」
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満面の笑みでそう告げられる。

金取んのかよ!

ちくしょう……二人して口をつけちまった手前、払わない訳にもいかない。

釈然としない気持ちを抱きつつも、二杯分のラッシー代を追加で支払う。
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「オイしいのをノんだら、リラックスできるからね」
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追加料金が無ければ素直に喜べたとは言え、アビアンさんの好意を無碍にする訳にもいかないだろう。

エガオよー、と言われながら飲むラッシーは、同じ味なのに一杯目とは違うような気がした。
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「ご馳走様でした。また近いうちに来るね」

「ご馳走様です」

「またキてね。……あ!ケンカダメよー!」
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最後に挨拶と共にかけられた声に、何とも言えない気まずさを感じながら姉貴と店を去る。
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「今回はアビアンさんに免じて歩いて帰ってあげるからね」

「何言ってんだ、それが普通なんだよ」
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先程の事もあり、互いに絶対に喧嘩に発展しない程度の軽口を飛ばす。

もう夕方にり日も大分傾いているからか、暑さも我慢できない程ではなかった。
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「……今日、夜どうする?お店開けられる?」

「仕込んでねえし、チェックがあるから無理」

「あー……そういうの面倒だから、ユウヒに全部任せていい?」

「別に。いつもの事だろ」
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他愛も無い会話を続けながら、今日の夕飯に何を作るか考える。

チェックする以上、あんまり手間暇のかかる物は無理だろう。

かと言って最近続いてたオムライス系は俺が飽きたし、カレーはさっき食べたしな……。

……まあ、色々終わってから考えてもいいか。

涼しさが出てきて心地良くなった風を受けながら、店舗兼自宅へと帰った。
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