C445話 の変更点
Top > C445話
- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
- C445話 へ行く。
「……なんだよ」 「歩いて帰るの面倒臭いから、おぶって帰ってくれない?」 「ふ……ふざけるのも大概にしろよ!暑いし重いんだよ!」 #br なんでそう斜め下の提案してくるんだよ! 暑い事は否定できないからなのか体重を気にしてるのか、重い、という言葉に突っかかってくる。 #br 「べ、別に重くはないわよ!ユウヒが非力なだけなんじゃないの?」 「はあ!?俺だって並程度には筋力あるっつの!」 #br 人が気にしてる事言ってきやがって。 こうなれば売り言葉に買い言葉だ。 #br 「ケンカするホドにナカヨし、うん、とてもイいね!」 「店長、止めましょうよ」 「でももうホカのおキャクさんいないからメイワクならないよ」 「そういう問題では、ないような……」 「シカタないね……あんまりしたくないホウホウだけど、やるしかナいかな」 #br アビアンさんとトウキさんの会話なんて、大声で叫びあっている俺たちには聞こえるはずもなく。 二人の会話なんて、大声で叫びあっている俺たちには聞こえるはずもなく。 なんならアビアンさんがいつの間にか姿を消した事も、まったく気がつかなかった。 #br 「大体な!下の廊下で寝ちまった時、誰が上まで上げてやってんだと思ってんだよ!凄えキツイんだぞアレ!」 「そんな事言ったらユウヒだって、酔っ払って毎回何してるのか忘れてる訳じゃないでしょうね!?」 「まあまあおフタリさん、コレでもノんでオちツいてね」 #br 姉貴と怒鳴り合いの喧嘩……と言うよりも、姉貴の理不尽な欲求を突っぱねているとラッシーが二杯運ばれてきた。 ……しまった、ここ他所の店だった。 気恥ずかしさでゆるゆると椅子に座り直し、ラッシーをありがたくいただく。 #br 「いや……なんか、すいません」 「ハニー、迷惑かけてごめんね……ちょっと私も大人気なかったね」 「キにしないでね、ニハイで760エンだから!」 #br 満面の笑みでそう告げられる。 金取んのかよ! ちくしょう……二人して口をつけちまった手前、払わない訳にもいかない。 釈然としない気持ちを抱きつつも、二杯分のラッシー代を追加で支払う。 #br 「オイしいのをノんだら、リラックスできるからね」 #br 追加料金が無ければ素直に喜べたとは言え、アビアンさんの好意を無碍にする訳にもいかないだろう。 エガオよー、と言われながら飲むラッシーは、同じ味なのに一杯目とは違うような気がした。 #br 「ご馳走様でした。また近いうちに来るね」 「ご馳走様です」 「またキてね。……あ!ケンカダメよー!」 #br 最後に挨拶と共にかけられた声に、何とも言えない気まずさを感じながら姉貴と店を去る。 #br 「今回はアビアンさんに免じて歩いて帰ってあげるからね」 「何言ってんだ、それが普通なんだよ」 #br 先程の事もあり、互いに絶対に喧嘩に発展しない程度の軽口を飛ばす。 もう夕方にり日も大分傾いているからか、暑さも我慢できない程ではなかった。 #br 「……今日、夜どうする?お店開けられる?」 「仕込んでねえし、チェックがあるから無理」 「あー……そういうの面倒だから、ユウヒに全部任せていい?」 「別に。いつもの事だろ」 #br 他愛も無い会話を続けながら、今日の夕飯に何を作るか考える。 チェックする以上、あんまり手間暇のかかる物は無理だろう。 かと言って最近続いてたオムライス系は俺が飽きたし、カレーはさっき食べたしな……。 ……まあ、色々終わってから考えてもいいか。 涼しさが出てきて心地良くなった風を受けながら、店舗兼自宅へと帰った。 #br [[前>C444話]] // [[次>C446話]]