C423話 のバックアップ(No.1)


「カフェバーC4へようこそ❤️」
「カフェバーC4へようこそ」
「よっ、盛り上がってるな!」
「こんばんは」

今日はイベントだから早く入店時間が終わる。
そして、その最後を飾る客は思ってもいない相手だった。

「ハニー達、今日は食事しに来るだなんてありがとう❤️楽しんで行ってね❤️」
「普段はテイクアウトも多いけど、今日はイベントだって言うからな」
「まぁね」

訪れたのは、ナツさんとカっちゃんさんだった。
そう言えば本名知らねえな……ま、本人もカっちゃんで良い、と言うからいいか。
二人は時々テイクアウトをして、公園でランチにしたりするらしい。
確かによく晴れた日なんかは、サンドイッチとか食べたら美味そうだよな。
それを作るのも売るのも俺の仕事だから、もちろん食った事は無えけど。

「いやー……なんか、盛り上がってていいな!」

カっちゃんさんが店内を見回し、客の喧騒にも負けない勢いの大声で笑う。
カっちゃんさんの笑いは何というか、サッパリしていて見ていて気分がいい。

「……店内の撮影しても、いい?」
「もちろんだよハニー!他のハニー達を撮る時だけ気をつけてくれれば大歓迎さ❤️」
「今度、現像したら持ってくるね」

そう言ってカメラを取り出し、パシャリ、パシャリとやや間を置いて撮影していく。
写真の出来栄え次第では、イベントの様子として店内に貼っても良いかも知れないな。
ナツさんなら出来の心配は必要無さそうだが。

「おいおいナツ、撮影に集中しないでちゃんと注文しないとダメだぞ」
「あー……カっちゃん、好きに決めていいよ」
「そうはいかないだろ」
「カっちゃんのセンス、信用してるから」

おー、お熱い事で。
どこかの席からか指笛が鳴ってるが、どこのテーブルだ?

「ハニー達、注文は好きなだけ撮影してからで構わないからね❤️」

姉貴がウインクを決めると、他のテーブルの状況を見に回っていった。
俺もそろそろ注文が落ち着いているし、少しは接客にまわるか!
イベントを楽しめば良い。
そう言った姉貴に倣い、俺も店員側としてだが楽しむ事にした。
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