20151031文章3

Last-modified: Sat, 20 Apr 2019 22:45:47 JST (1855d)
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コア=トル「トリックオアトリート!どうせキッパーの事だからお菓子無いでしょ?イタズラしよっと」

 

キッパー「……有るが。おい、箱を持ってこい」

 

コア=トル「え、あんの!?」

 

マッダー「使用人達が毎年楽しみにしてるからね……よいしょっと、ここから選んでよ」

 

コア=トル「へぇ、結構色んな種類が有るんだねー……これ全部キッパーが選んだの?」

 

キッパー「此奴に一任している」

 

マッダー「君の所の近所のお店で買ってるんだよ」

 

コア=トル「モントの所?じゃあめっちゃ美味しいじゃん!……あーどれにしよう、悩むなぁ」

 

キッパー「……数個なら構わんが」

 

コア=トル「本当!?チョー嬉しい!じゃあこれとこれとこれと」

 

マッダー「……待ってよ、いくつ持って行くつもりなんだい?」

 

コア=トル「全種類を私とスリートちゃんとトゥヴァンとアイシーンとリプレと」

 

キッパー「待て」

 

コア=トル「あ、録音してあるから目の前で再生すればセーフでしょ?」

 

マッダー「それは……聞いた事ないルールだね」

 

コア=トル「え、ダメなの?なら悪戯するけど」

 

キッパー「……菓子なら好きに持っていけ」

 

コア=トル「やった!じゃぁ箱ごと貰うね!」

 

キッパー「貴様には常識が無いのか?」

 

コア=トル「神に常識なんて通じない事、知らないの?」

 

マッダー「好きにした結果なんじゃない?」

 

コア=トル「そうそう」

 

キッパー「……勝手にしろ」

 
+  
 

キッパー「さて、また菓子を運ばせてこないとな……」

 

マッダー「トリックオアトリート」

 

キッパー「……」

 

マッダー「トリックオアトリート」

 

キッパー「……貴様」

 

マッダー「トリックオアトリート」

 

キッパー「何度も言わなくても理解している」

 

マッダー「今お菓子無いんだよね?」

 

キッパー「机の引き出しに」

 

マッダー「無いよ」

 

キッパー「……何故だ」

 

マッダー「中に有るのを知ってたからあらかじめ抜いておいたんだ」

 

キッパー「本棚の缶に」

 

マッダー「そこにも無いよ」

 

キッパー「確か上着のポケットに」

 

マッダー「勿論無いよ」

 

キッパー「……」

 

マッダー「僕だって探してて驚いたんだよ?そんなに部屋中にお菓子隠さなくても良いじゃない」

 

キッパー「気が向いた時に何時でも食べられる様に菓子をあらゆる処にだな」

 

マッダー「キッパー、僕の言った言葉忘れてない?」

 

キッパー「……何の話だ?」

 

マッダー「誤魔化さないでよ、トリックオアトリートだよ」

 

キッパー「……貴様、一体何が目的だ」

 

マッダー「そんなに構えなくても良いじゃない、悪戯だよ、悪戯」

 

キッパー「貴様の考えには碌な物が無いからな」

 

マッダー「そんな事ないよ、棚の人形とかさ」

 

キッパー「盗聴機付きの人形がか?」

 

マッダー「録音機だよ、それにキッパーの為だからね。話し相手の言質、これなら簡単に取れるでしょ?」

 

キッパー「……何を莫迦な言い訳を」

 

マッダー「ヒドイなぁ……さて、悪戯は何にしようかなぁ」

 

キッパー「決めていないのに言ったのか?計画性の無い男だな」

 

マッダー「ゴッソリ持って行かれるこのタイミングしかなかったからね、どうせ無くなる前に補充しちゃうし」

 

キッパー「当然だ」

 

マッダー「……あ、キッパー。靴紐が解けてるよ?」

 

キッパー「何?……解けてなどいないではない、か……ッ!?」

 

マッダー「何をキス位で狼狽えてるんだい」

 

キッパー「……じ、自室ならまだしも執務室でするんじゃない!」

 

マッダー「……へぇ、キッパーの部屋なら良いんだ」

 

キッパー「揚げ足を取るな!」

 

マッダー「取られる方が悪いんだよ」

 

キッパー「黙れ!」

 

マッダー「心にも無い嘘を吐くのはこの口かい?」

 

キッパー「この……っ、抱き付くんじゃない、離せ!」

 

マッダー「本気でやったら剥がせるでしょ」

 

キッパー「そういう問題では無い!離せと言っている!」

 

マッダー「いや、そういう問題だと思うけどなぁ……」

 

キッパー「そ、そうだ、そろそろ菓子が届く頃だな。だから離れろ」

 

マッダー「え、なんでだい?」

 

キッパー「……当然だろうが」

 

マッダー「じゃあ僕の悪戯はこのまま使用人に見せつけるで決定!」

 

キッパー「な、なら先程のは」

 

マッダー「んー、僕がしたかっただけ?」

 

キッパー「そんな話があるか!」

 

マッダー「有るんだよねぇ残念ながら」

 

キッパー「巫山戯るのも大概に……ッ!!」

 

「御当主様、追加の菓子をお持ちしましたが如何なさいますか」

 

キッパー「後で部屋に置く、一先ず廊下に置いておけ!」

 

マッダー「持ってきて良いよー」

 

キッパー「き、貴様、何を言って……!」

 

(どうすれば良いのでしょうか……)