朝話昼起き

Last-modified: Fri, 17 May 2019 21:56:57 JST (1828d)
Top > 朝話昼起き

ペッポー「ふっふーん!僕の手にかかれば壁の修繕なんて容易い物だぜ?ま、お前らには出来ないだろうがな!」

 

マッダー「ちょっと、今キッパーが寝てるんだから静かにしていないと危ないよ?」

 

ペッポー「そんなウソ言って静かにさせようって腹積りだろ?僕は騙されてなんかやらないぞ?」

 

マッダー「以前僕が起こしちゃった時は、いま君が直してくれた壁よりも大きな穴が開いたよ」

 

ペッポー「お前、よく生きてたな……」


マッダー「いやぁ、直接殴られてたら間違いなく死んでたと思うけどね」

 

ペッポー「ま、まぁ?僕は何てったって不死身だからな!関係ないだろうけどな!」

 

キッパー「ほう……不死身にも種類が有り、有限の不死者と無限の不死者が居るそうだが、貴様は何方だ?」

 

マッダー「……あっ……キッパー、起きたんだ、おはよう」

 

キッパー「私が起きていては不都合が有るとでも?」

 

マッダー「何を言ってるんだい?そんな事有る訳がないじゃないか!」

 

ペッポー「ぼ、僕は有限みたいなチンケな方じゃないぞ!多分だけどな!!」

 

キッパー「そうか……ならば、真実は如何なのか、確かめる必要が有るな」

 

ペッポー「えっ……?」


マッダー「ま、まぁまぁキッパー、僕の顔に免じて許してあげてよ、ね?」

 

キッパー「兎の剥製をエントランスに飾るのも良いかもしれんな」

 

マッダー「今すぐ確認してみるといいよ」

 

ペッポー「おい!お前自分が死ぬと踏んだ途端に僕を差し出すなよ!」

 

マッダー「僕はほら、キッパーの為にもまだ死にたくないし」

 

ペッポー「仕事を頼んできたから来てやったのに何なんだよ!」

 

キッパー「……仕事だったのか、ならば……報酬は考慮せねばな」

 

マッダー「そうだ、差し引きでチャラにしてあげるって言うのはどうかな?」

 

ペッポー「こ、この際仕方ない……それで逃げられるならマシだから、無料って事で許してやる!」

 

キッパー「いや、数回首を圧し折る事で許しとしよう」

 

ペッポー「絶対何も差し引かれてねぇじゃん!」

 

キッパー「苦痛が少ないようにと考慮したのだが……」

 

マッダー「あ、考慮するのそこなんだ」

 

ペッポー「そ、そもそも!僕はお前らのオモチャじゃないんだから、そんな簡単に首を折るとか無料とかいうなよ!」

 

マッダー「僕は少なくとも玩具だなんて思ってないよ?」

 

キッパー「分を弁えぬのだから玩具未満だ」

 

ペッポー「なっ!?どういう意味だ!答えやがれ!」

 

キッパー「この城の中でその様な口の利き方をしておきながら、生きて帰る事が出来ると思っているのか」

 

マッダー「彼、不死者だよ?」

 

キッパー「貴様は口を噤め」

 

ペッポー「うるさい!僕はココがどこであろうが、何だろうが、態度を変えるなんて事はしない!僕は自由に生きていくんだ!」

 

マッダー「生き方としては構わないけど、ビジネスとしてはどうなんだろうね」

 

キッパー「自由に生きる?貴様の生き方なぞ私の知る事ではない」

 

ペッポー「そこまで一刀両断しなくてもいいだろ!」

 

マッダー「見事にバッサリいったよね、キッパーも中々酷い事するよねぇ」

 

キッパー「……貴様は何方につく積りだ?」

 

マッダー「どっちかだって?僕は何時でもキッパーの味方じゃないか」

 

キッパー「死ね」

 

マッダー「僕が思ってた反応と違う……」

 

キッパー「……どの様な反応を期待していた」

 

マッダー「そこは素敵!ってハグって感じだと期待してたよ?」

 

キッパー「剝ぐ、か」

 

ペッポー「何か恐ろしい物を感じるぜ……」

 

マッダー「素敵!はやってくれるんだね」

 

キッパー「言う訳が無いだろうが」

 

マッダー「どっちもやってくれないんじゃないか……ほら、君も用件が済んだなら帰ったらどうだい?」

 

ペッポー「え!?お、おう……?」


キッパー「貴様は何を思って片方でも私が行うと考えた?」

 

マッダー「そんなの、思ったからだよ」

 

キッパー「……理解不能だ」

 

マッダー「努力して僕の事理解してよ」

 

キッパー「一切不要な努力だな」

 

マッダー「僕も努力するからさ」

 

キッパー「貴様の努力も不要だ」

 

マッダー「全部言ってくれるのかい?それとも僕はキッパーの事全部理解出来てるって事かい?」

 

キッパー「貴様を理解しようとも、貴様に理解されようとも思っていない」

 

マッダー「うーん、相互理解を否定するのは独裁者としてどうなんだろう」

 

キッパー「抵抗する者は処分すれば良い」

 

マッダー「でもその抵抗する者はキッパーが怒ってるうちに帰っちゃったよ?」


キッパー「……貴様」

 

マッダー「気づかなかったのはキッパーの落ち度じゃないの?」

 

キッパー「……仕方ない、不死かどうかの確認は次の機会にするとしよう」

 

マッダー「伊達に長生きしてないんだし、そうそう捕まるとも思えないけどね」

 

キッパー「……城に浸入しては捕まっていると報告を受けているが」

 

マッダー「処遇が決まる前に逃げられてるよね、捕まえた後のセキュリティ大丈夫?」

 

キッパー「死ね」

 

マッダー「えぇ、理不尽だなぁ……」