天狗に目あり天狗に耳あり
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徳丸「この俺様が来てやったぜえええェ!?」
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昴「おい白浜、頼んだぞ」
輪音「嫌よ?……もう、こういう時にはいの一番に逃げるんだから、本当にヘタレよねぇ?」
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徳丸「随分と手酷い歓迎じゃねェかよォ……何かの余興とでも言うのかァ?」
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輪音「残念ねぇ、何も無いのよ」
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徳丸「知ってるよなァ?天狗は人も魚も食っちまうって事位よォ!」
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輪音「残念なのは貴方の方よ?今は何人もの人間が居るわ」
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徳丸「人間風情がオレ達天狗に敵うとでも思ってんのか?」
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輪音「何時の世も妖を亡ぼすのは人よ?……それは、貴方も良く御存知の事でしょう?」
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徳丸「人間なんざ、攫って食う位しか価値の無ェ生物だろうがァ!」
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輪音「……本当に残念よ、貴方」
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徳丸「ならもう二度と落胆しねぇように喰い尽くしてやろうかァ?人魚の肉はさぞ旨くて妖力も溜め込んでいるだろうしなァ!」
輪音「……ミナギリさん、ボウゲツさん、今よ!」
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千方「へ?」
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水霧「……邪魔」
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輪音「前鬼と後鬼の扱い方、随分と上手になったのねぇ」
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徳丸「善と妙のお陰でお前等の命が助かった様だなァ?まァ俺様が食っちまうけどよォ!」
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水霧「……何この水」
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千方「飲み物じゃ無いっスか?」
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徳丸「っな……飲むんじゃねェ!!」
水霧「……なんか力湧いてきた気がする」
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徳丸「クソがッ!理水飲みやがったなテメェ!」
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水霧「そっちの斧も私に寄越せ」
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千方「それ飲んだら強くなれるっスか!?私にも少し飲ませて欲しいっスよ!この小さい鬼……強くて中々引き剥がせないっスもん!」
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水霧「倒せば」
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千方「それができないから言ったんじゃないっスか!」
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輪音「……片方はまだしも、もう片方は如何かしらねぇ?……さぁ、お逃げなさいな」
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徳丸「……チッ!」
輪音「ミナギリさん、貴方ここまでやってくれるとは思わなかったわ」
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水霧「……別に何もしてないけど」
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輪音「あの天魔を追い払っただけでも昇給間違い無しよぉ?」
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千方「昇給羨ましいっスねぇ……ミナギリは何か買いたい物有るっスか?」
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水霧「我が妹撮る為の良いカメラ買う」
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輪音「ミナギリさんはブレないわねぇ」
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昴「カメラだけにか?」
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輪音「役立たずには聞いてないわ」
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昴「その言い方はねぇだろ!?」
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水霧「ギルド長、カメラ代寄越せ」
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昴「言い方がカツアゲじゃねぇか」
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千方「私にも何か欲しいっス!頑張ったっスよ!」
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昴「ボウゲツは何もしてねぇだろ」
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千方「み、見てたっスか?」
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昴「透視でバッチリな、何か有れば出てくる積りだったしよ」
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輪音「なら最初からいれば良かったのにわざわざ逃げたのよねぇ?」
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昴「白浜!今は黙ってろ!」
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千方「透視して陰からこっそり見るってなんか変態っぽいっスね」
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水霧「カメラ代」
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昴「目の前にとんでもねぇ変態居るからな」
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千方「自分で認めるとは潔いっスね!」
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昴「俺の事じゃねえよ」
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千方「変態って認めたじゃないっスか~」
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水霧「ギルド長は変態だからカメラ代寄越せ」
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昴「せめて前後の文章を成立させろ!おい白浜何とかしろよ」
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輪音「ギルド長の命令通り黙ってるわ」
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昴「畜生!!!」